岐阜で新卒・高卒採用を成功させる新戦略
岐阜県で新卒採用・高卒採用に取り組んでいるのに、応募が集まらない。
説明会を開いても、大手企業や有名企業に流れてしまう。
そんな悩みを抱える中小企業は少なくありません。
ただ、若手人材に選ばれない理由は、会社の魅力がないからではなく、多くの場合、地元高校生や大学生に“知られていない”だけです。
この記事では、求人広告に頼り切る採用活動から一歩抜け出し、SNSやオウンドメディアを使った採用広報へ切り替える方法を解説します。
得られる答えは、次の3つです。
- Z世代・α世代に届く発信の考え方
- Instagram、TikTok、YouTubeショートの使い分け
- 岐阜県の中小企業が大手に埋もれない媒体選び
採用は、募集を出した瞬間に始まるものではなく学生が会社名を知った日から、もう始まっています。
岐阜県の中小企業が若手採用で苦戦する本当の理由
採用が難しいと聞くと、多くの企業はまず求人票を見直します。給与、休日、福利厚生、仕事内容。もちろん大切です。
しかし、地元高校生や大学生が会社名を知らなければ、比較の土俵にすら上がれません。
たとえば、岐阜市や大垣市、各務原市、美濃加茂市にある優良企業でも、学生から見れば「聞いたことのない会社」です。
実際には安定した取引先があり、技術力も高い。地域貢献もしている、それでも、知られていなければ選ばれない。
ここが採用の怖いところです。
求人票を出すタイミングは、学生にとって就職活動の終盤、その段階で初めて会社名を見ても、心はなかなか動きません。
「なんとなく知っている」
「先輩が働いているらしい」
「SNSで見たことがある」
この小さな接点が、応募の入口になります。
地元高校生・大学生に会社名が届いていない現実
地元就職を希望する学生は、決して少なくありません。家族の近くで働きたい、通い慣れた地域で暮らしたい
そんな気持ちはあります。
ところが、地元企業の情報が学生の生活圏に入ってこない、ここに大きなミスマッチがあります。
学校に求人票を出している。合同説明会にも参加している、それでも、普段から会社の姿が見えていなければ印象に残りません。
特にZ世代やα世代(アルファ世代)は、検索やSNSで情報に触れるのが当たり前です。
会社選びでも同じ、求人票だけで判断するのではなく、Instagramの投稿、TikTokの雰囲気、YouTubeショートの動画まで見ています。
つまり、採用活動は「募集」だけでは不足しており、日常的に見つけてもらう設計が必要です。
採用コストをかけても母集団形成につながらない理由
採用コストを増やしても応募が増えない、この場合、媒体選びだけを変えても限界があります。
なぜなら、求人媒体は基本的に比較の場だからです。
給与、勤務地、休日、企業規模。
横並びで見られます。
大手企業と同じ画面に並んだ瞬間、中小企業は不利となり知名度で負ける。条件で比べられる。写真の印象で流される。
だからこそ、求人媒体に載せる前の段階で、会社への興味を育てる必要があります。
これが採用広報の役割です。
たとえば、若手社員の1日をショート動画で見せる。
社内イベントをInstagramで発信する。
地元高校生向けに、仕事の裏側を紹介する記事を作る。
こうした発信は、すぐに応募へ直結しないかもしれません。しかし翌年、その次の年に効いてきます。
母集団形成は、応募開始日から始めるものではありません。
会社を知ってもらう日々の積み重ね、そこから、若手採用の流れは変わります。
Z世代・α世代は「条件」よりも会社の空気を見ている
若手人材の就職活動は、昔とかなり違い、給与や休日だけを見て応募先を決めるわけではありません。
もちろん条件は大切です。
けれど、それ以上に見られているものがあります。
この会社で、自分は自然体で働けそうか。
Z世代、そしてこれから就職期を迎えるα世代(アルファ世代)は、会社の空気を敏感に読み取ります。
きれいな言葉より、リアルな表情、立派な理念より、職場の日常。
そこに安心感があるかどうかを見ています。
就職活動で若手が知りたいのは、求人票に載らない“人”と“空気”
給与、休日、勤務時間、福利厚生、これらの情報は、当然ながら必要です。
ただし、それらは求人票を見れば確認でき、数字や条件として、比較もしやすい情報です。
問題は、求人票では表せない情報をどう届けるかです。
地元高校生や大学生が本当に知りたいのは、もう少し生々しい部分です。
「どんな先輩が働いているのか」
「職場の雰囲気は堅いのか、話しやすいのか」
「未経験でも本当に大丈夫なのか」
「困ったとき、誰に相談できるのか」
「昼休みはどんな空気なのか」
こうした疑問は、求人票の文字だけでは解消できません。だからこそ、採用広報の出番です。
たとえば製造業なら、機械設備の写真だけでは伝わりません。入社2年目の社員が「最初は工具の名前も分かりませんでした」と話すショート動画、これだけで、未経験者の不安はかなり和らぎます。
建設業なら、完成した現場写真だけでなく、朝礼後に若手社員が笑っている一瞬、介護や福祉なら、利用者との穏やかな会話や、先輩が新人に声をかける場面。
そこに映るのは、条件表では見えない会社のリアルです。
人が見える。
空気が伝わる。
働く自分を想像できる。
この状態をつくれた会社は、若手の記憶に残ります。
「ここなら質問しやすそう」
「自分にもできるかもしれない」
その小さな安心感が、応募への一歩になります。
早期離職とミスマッチを防ぐ「等身大」の発信
採用広報でやってはいけないのは、会社を必要以上によく見せることです。きらびやかな言葉で飾りすぎると、入社後にギャップが生まれます。
そして起きるのが、早期離職。
採用した側も、入社した側も苦しい結末です。
大切なのは、等身大の発信です。
たとえば、「繁忙期は正直忙しいです。でも、全員で声をかけ合って乗り切っています」と伝え、「最初の3か月は覚えることが多いです。だから教育担当が毎日10分、振り返りの時間を取っています」と見せる。
弱みを隠さない会社は、むしろ信頼され、完璧な会社を探している学生ばかりではありません。自分に合う会社を探しているのです。
ミスマッチを減らすには、入社前に「良い面」と「大変な面」の両方を伝えること。
・背伸びしない言葉
・飾らない写真
・現場の温度が伝わる動画
これが、長く働く人材との出会いにつながります。
地元就職を選ぶ心理にある安心感と誇り
岐阜県で地元就職を考える若手には、独特の心理があります。
都会に出る選択肢もある、でも、家族の近くで暮らしたい。友人とのつながりを保ちたい、慣れた地域で、落ち着いて働きたい。
その一方で、こんな不安もあります。
「地元にいい会社なんてあるのかな」
「将来性は大丈夫かな」
「友だちに会社名を言って分かってもらえるかな」
ここで必要なのが、地域に根ざしたブランディングです。
会社の規模を大きく見せる必要はありません。むしろ、地元でどんな役割を果たしているのかを伝えるほうが効果的です。
・たとえば、岐阜のものづくりを支えている。
・地域の暮らしに欠かせないサービスを担っている。
・学校行事や地域イベントを支援している。
若手は、ただ働き口を探しているだけではなく自分の選択に納得したいのです。
「この会社で働くことは、地元の役に立つことなんだ」
そう思えたとき、地元就職は妥協ではなく、前向きな選択になり、条件競争では勝てなくても、意味づけでは勝てる。
岐阜県の中小企業が若手に選ばれる道は、そこにあります。
従来の求人広告から「採用広報」へシフトするステップ

採用広報を始めるとき、いきなりInstagramやTikTokを動かす企業があります。しかし、最初にやるべきことは投稿ではありません。
まず決めるのは、誰に、何を伝えるかです。たとえば同じ若手採用でも、高卒採用と新卒採用では響く内容が変わります。
地元高校生に向けるなら、安心感が大切です。
「未経験でも育ててもらえるか」
「先生や保護者が見ても安心できる会社か」
「通勤しやすいか」
大学生に向けるなら、成長や将来性も見られます。
「どんなスキルが身につくか」
「若手に任される仕事はあるか」
「地元就職でもキャリアを築けるか」
相手が違えば、伝える言葉も変わります。ここを曖昧にしたまま発信すると、誰にも刺さらない投稿になります。
まずは採用したい人物像を1人に絞ること、「岐阜県内の工業高校に通う、ものづくりに興味がある高校3年生」
「地元就職を考え始めた、県内大学の2年生」ここまで具体化すると、発信の軸が見えてきます。
採用広報は短期勝負ではなく、信頼構築の積み上げ
採用広報は、今日始めて明日応募が来る施策ではなく、すぐに成果を求めすぎると、途中で止まります。
けれど、続けた会社ほど強い。なぜなら、発信は少しずつ信頼構築につながるからです。
たとえば、毎月1本でも若手社員のインタビューを出す。週1回、職場の日常をInstagramに載せる。
月に数本、仕事内容をショート動画で紹介するなど派手でなくて構いません。むしろ、等身大のほうが伝わります。
「新人が初めて現場を任された日」
「先輩が後輩に工具の使い方を教える場面」
「資格取得に向けて勉強している社員の姿」
こうした発信を見た学生は、少しずつ会社を覚えていきます。
いきなり応募にはつながることは少なくまずは「認知」次に「興味」そして「安心」この順番です。
人手不足だからといって、毎年その場しのぎの募集を続けても苦しくなるばかり、採用広報は、来年、再来年の採用をラクにするための仕込みです。
発信を資産化し、毎年使える採用導線をつくる
採用広報の強みは、発信が一度きりで終わらないことです。きちんと残せば、記事も動画も採用資産になります。
たとえば、若手社員インタビューをオウンドメディアに掲載し、その記事をInstagramで紹介する。短く切り出してTikTokやYouTubeショートに展開する。さらに、学校訪問や説明会の資料にも使う。
1つの素材を、何度も活用すことがこれが採用広報を資産化です。
求人広告は掲載期間が終われば消えます。
でも、自社サイトの記事やSNS投稿は残り検索される、見返される先生や保護者にも共有される。
この差は大きいです。
たとえば「岐阜 製造業 高卒採用」「地元就職 岐阜 若手社員」などで検索したとき、自社の発信が見つかる状態をつくる。それだけで、大手企業に埋もれない導線ができます。
差別化とは、奇抜なことをすることではありません。自社らしさを、継続して見える場所に置くこと。
採用広報は、会社の魅力を“消耗品”にしない取り組みとなり、求人を出すたびにゼロから説明するのではなく、日頃の発信が会社理解を助けてくれる。この状態をつくれた企業から、若手採用は変わり始めます。
SNS活用で地元の若手に届く会社になる
Instagramは、会社の雰囲気を整えて見せるのに向いています。社内の写真、若手社員の紹介、イベント、昼休みの様子。
「この会社、感じがいいな」と思ってもらう入口です。
特に高卒採用では、本人だけでなく先生や保護者も見ます。だから、清潔感や安心感が伝わる投稿が効きます。
一方、TikTokは親近感を出しやすい媒体です。
かしこまった会社紹介より、少しくだけた日常のほうが届きます。
たとえば、若手社員に「入社前に不安だったこと」を聞く、先輩社員が「新人時代に失敗したこと」を話す
工場や現場の“あるある”を短く紹介する。
完璧に作り込まれた動画より、少し素が見えるほうが強い。
Z世代は、広告っぽさに敏感で、作られすぎた演出は、すぐに見抜かれます。
大切なのは、バズを狙うことではありません。「この会社の人たち、話しやすそう」と感じてもらうことです。
YouTubeショート・ショート動画で仕事内容を30秒化する
仕事内容は、文章だけでは伝わりにくいものです。特に製造、建設、物流、介護、サービス業などは、現場を見せたほうが早い。
そこで使いたいのが、YouTubeショートやショート動画です。
30秒で十分です。
むしろ、長すぎないほうが見られます。
たとえば、こんな切り口があります。
- 「新人が最初に覚える仕事」
- 「1日の仕事を30秒で紹介」
- 「この道具、何に使う?」
- 「先輩に聞いた、入社して驚いたこと」
- 「休憩室の雰囲気を見せます」
難しい編集は不要で、スマートフォンで撮って、テロップを入れるだけでも伝わります。
ポイントは、会社説明ではなく“場面”を見せること。求人票では想像できない一瞬を切り取るのです。
たとえば、先輩が新人に「ここ、危ないから気をつけてね」と声をかける場面や作業後に「今日はここまでできたね」と笑う場面、こうした何気ないシーンが、若手の不安をほどきます。
ショート動画は、採用広報の入口として相性抜群です。見てもらいやすい。共有されやすい。記憶に残りやすい。
会社を知らない学生に、まず存在を届けるその役割を担ってくれます。
社長より若手社員が話すほうが刺さる理由
採用広報では、社長のメッセージも大切です。会社の考え方や未来を伝えるには、経営者の言葉が必要です。
ただ、若手に最初に刺さるのは、同じ目線に近い社員の声です。
入社1年目、2年目、3年目年齢の近い社員が話すと、学生は自分を重ねやすくなります。
「自分も最初は不安でした」
「面接で緊張しすぎて、うまく話せませんでした」
「でも、先輩が毎日声をかけてくれて助かりました」
こうした言葉には、きれいな採用コピーにはない力があります。
リアルだからです。
特にZ世代やα世代は、企業側の一方的なアピールより、働いている人の本音を見ています。
だから、社員の声を前面に出すことがファン化につながります。
おすすめは、若手社員を“採用広報の語り手”にすることです。
・インタビュー記事にする。
・Instagramの投稿にする。
・TikTokで短く話してもらう。
・YouTubeショートで仕事の一部を紹介してもらう。
もちろん、無理に出演させてはいけません。顔出しが苦手なら、手元だけ、後ろ姿だけ、音声だけでも十分です。
大切なのは、会社が若手を大事にしていることが伝わること、その空気は、画面越しでもにじみます。
SNSは、採用の魔法ではありません。でも、会社の人柄を届ける道具にはなります。
岐阜県の中小企業が大手企業に勝つには、規模ではなく距離感で勝つこと。近い、温かい、話しやすいその魅力をSNSで見える形にしていきましょう。
大手企業に埋もれない媒体選びと見せ方
若手採用でよくある失敗が、求人媒体を増やせば応募も増えると考えてしまうことです。
もちろん、媒体選びは大切となります。高卒採用なら学校経由の求人票、新卒採用なら就職サイトや合同説明会。
中途も含めるなら求人検索エンジンや地域密着型の媒体。
ただし、媒体に載せるだけでは、大手企業と同じ土俵で比べられます。
知名度、給与、福利厚生、勤務地の華やかさ、この比較で真正面から勝とうとすると、中小企業は苦しくなります。
だから必要なのは、媒体ごとの役割を分けることです。
求人媒体は応募の受け皿、SNSは認知の入口、オウンドメディアは信頼を深める場所。
この使い分けが、大手企業に埋もれない採用導線をつくります。
求人媒体だけに頼ると比較表の中で埋もれる
求人媒体は、学生にとって便利です。条件を並べて見られる、勤務地や職種で絞り込める、応募もしやすい。
一方で、企業側には弱点もあります。どの会社も同じフォーマットで表示されることです。
給与、休日、仕事内容、写真、ひとことPR限られた枠の中で、自社らしさを伝えなければなりません。
その結果、どうなるか?条件比較に巻き込まれます。
「こっちのほうが休日が多い」
「有名な会社だから安心」
「写真がきれいだから良さそう」
こうした判断は自然です。学生が悪いわけではなく媒体の構造上、そう見えてしまうのです。
特に認知度不足の中小企業は、最初から不利です。名前を知られていない会社は、クリックされる前に通り過ぎられます。
だから、求人媒体を使う前に「見たことがある会社」にしておく、これが採用広報の狙いです。
・Instagramで職場の雰囲気を見た。
・TikTokで若手社員の声を聞いた。
・学校で配られた資料に載っていた。
・地域イベントで社名を見た。
その接点があるだけで、求人媒体上での見え方は変わります。
「あ、この会社知ってる」
この一瞬が、クリック率を変えます。
オウンドメディアで「検索される会社」になる
SNSは見つけてもらう入口として強い反面、投稿が流れていきます。数日たつと、見られにくくなる。
だからこそ、情報を蓄積する場所が必要です。
そこで役立つのが、オウンドメディアです。
立派な採用サイトを作る必要はありません。まずは自社サイト内に、採用ブログや社員インタビューのページを作るだけでも十分です。
たとえば、次のような記事を用意します。
- 入社1年目社員の1日
- 高卒入社の先輩インタビュー
- 未経験から覚える仕事の流れ
- 岐阜で働く魅力
- 地元就職を選んだ理由
- 社長が若手採用で大切にしていること
こうした記事は、求人票では伝えきれない情報源になり、先生や保護者にも共有しやすい学生が家でじっくり読むこともできます。
さらに、これからは検索にも残ることが大きな意味を持ちます。
これまで学生は、GoogleやYahoo!で会社名や職種を調べていました。しかし今後は、AIに質問しながら就職活動を進める場面が増えていきます。
「岐阜で高卒採用に力を入れている製造業は?」
「地元就職で未経験から働ける会社は?」
「各務原で若手が働きやすい中小企業を教えて」
こうした聞き方が、当たり前になっていく可能性があります。
そのときAIが参考にするのは、WEB上にある情報となり、自社サイト、採用ブログ、社員インタビュー、SNS、ニュース記事。
つまり、ネット上に会社の情報がなければ、AIにも見つけてもらいにくくなります。
求人広告は、掲載期間が終われば見えなくなります。でも、オウンドメディアの記事は残ります。
・毎年使える
・説明会でも使える
・SNSにも転用できる
そして、AI時代の検索にも備えられるまさに採用広報の資産です。
成功している企業は、若手社員を採用チームに入れている
大手企業に埋もれないために、派手な採用キャンペーンは必要ありません。まず見直すべきは、誰が採用活動をしているかです。
岐阜県の中小企業でよくあるのが、総務担当者と経営層だけで採用を進めているケースです。
・会社説明会に出るのは、部長や役員。
・求人票を作るのは、総務。
・学校訪問で話すのも、年齢の離れた管理職。
もちろん、経験豊富な人が採用に関わることは大切です。会社の方針や待遇面を正しく伝える役割があります。
ただし、それだけでは若手に届きません。
地元高校生や大学生が知りたいのは、経営者の立派な言葉だけではないからです。むしろ気にしているのは、もっと近い目線の情報です。
「自分と年齢の近い人はいるのか」
「入社したら、どんな先輩に教えてもらうのか」
「若手でも話しやすい雰囲気なのか」
「入社後に孤立しないか」
この不安に答えられるのは、現場の若手社員です。たとえば、入社2年目の社員が学校説明会で話す、高卒入社の先輩が、最初につまずいたことを語る、若手社員がInstagramやTikTokで職場の日常を紹介する。大学生向けの会社見学で、年齢の近い社員が案内役を務める。
これだけで、学生の受け取り方は変わります。
「この人がいるなら安心できそう」
「自分にもできるかもしれない」
「思っていたより話しやすい会社だ」
採用広報で大切なのは、会社を大きく見せることではありません。若手が働く姿を、若手自身の言葉で見せることです。
今、若手人材を集めている中小企業は、ここを改善しています。採用を総務だけの仕事にしていません。経営層だけの発信にもしていません。
現場の若手社員を、採用チームに加えています。
一方で、従来型の採用活動から抜け出せていない企業は危険です。
・求人票を出す
・学校にあいさつへ行く
・合同説明会で会社概要を話す
そして応募を待つ。
このやり方だけでは、Z世代やα世代には届きにくくなっています。
学生は、会社の“中の空気”を見ています。先生や保護者も、安心して送り出せる会社かを見ています。
そのとき、若手社員の姿がまったく見えない会社は、それだけで距離を置かれます。
地域密着型ブランディングとは、ロゴやスローガンを整えることだけではなく、学生、先生、保護者、地域の人に、どんな会社として記憶されるか。そこまで含めてブランディングです。
・地元高校の部活動支援をする。
・地域イベントに参加する。
・工場見学や職場見学を受け入れる。
・大学生に若手社員へのインタビュー機会をつくる。
こうした活動に若手社員が関わることで、会社の印象は一気にリアルになります。
「あの会社、若い人が前向きに働いている」
「あの先輩、楽しそうだった」
「あの会社なら相談しやすそう」
この記憶が、数年後の就職活動で効いてきます。
媒体選びで大切なのは、どれか一つに賭けることではありません。それぞれの役割を決め、つなげることです。
- 認知はSNS。
- 理解はオウンドメディア。
- 応募は求人媒体。
- 信頼は地域接点。
- そして共感を生むのは、若手社員の声。
採用コストをただ消費する会社と、未来の母集団形成につなげる会社の差はここで生まれます。
若手を採りたいなら、若手を採用活動の前面に出すこの当たり前に見える一歩を踏み出せる企業が、いま地元の若手人材に選ばれ始めています。
地元高校生・大学生との接点を増やす独自施策
若手人材に選ばれる会社になるには、求人を出す前の接点づくりが欠かせません。
「今年の採用人数が足りない」
「応募が来ない」
「説明会に学生が集まらない」
そうなってから動いても、間に合わないことがあります。地元高校生や大学生にとって、知らない会社は選びようがないからです。採用広報で目指すべきは、就職活動が始まる前から名前を知ってもらうこと、そして、会社に対して小さな好印象を積み重ねることで、そのためには学校・地域・学生との接点を増やす必要があります。
インターンシップより手前の「インタビューシップ」という選択
中小企業が若手と接点をつくる方法として、インターンシップは有効です。ただ、高校生や低学年の大学生にとっては、少しハードルが高い場合があります。
「働く体験」と聞くと、身構えてしまう
企業側も、受け入れ準備に手間がかかる
現場の安全面やスケジュール調整も必要です
そこで取り入れたいのが、インタビューシップなど学生を巻き込んだ企画です。
インタビューシップとは、学生が社員に話を聞き、会社や仕事について記事・動画・レポートにまとめる取り組みです。
職場体験より軽く、会社説明より深いちょうど中間にある接点づくりです。
たとえば、地元高校生が若手社員に質問します。
「なぜこの会社に入ったんですか?」
「高校時代にやっておけばよかったことは?」
「最初に大変だった仕事は何ですか?」
「地元で働く良さはありますか?」
この質問に、若手社員が自分の言葉で答えその内容を学生がまとめる。
これだけで、学生は会社のことをかなり深く理解し企業側にとっても、学生がどんな不安を持っているのか知る機会になります。さらに、完成した記事や動画はオウンドメディアやSNSで発信できます。つまり、接点づくりと採用広報の両方に使えるのです。
部活動支援・地域貢献が未来の採用広報になる
若手採用の接点は、説明会だけではありません。むしろ、採用色が薄い活動ほど、自然に記憶に残ることがあります。
たとえば、地元高校の部活動支援や大会の協賛、備品の寄贈、ユニフォームスポンサーこうした取り組みは、学生や先生、保護者の目に触れます。
地域清掃、祭りへの参加、職業講話、探究学習への協力は立派な採用広報です。
ポイントは、単なる地域貢献で終わらせないことや活動の様子を写真や記事で残し、WEB上に発信することです。
「地元高校の野球部を支援しました」
「地域イベントに若手社員が参加しました」
「高校生向けに仕事紹介の授業を行いました」
こうした発信が積み重なると、会社の印象は変わります。
「あの会社、地域に関わっている」
「あの会社、若い人を応援している」
「あの会社なら、地元就職の選択肢に入れてもいいかも」
応募の直前ではなく、もっと前の段階でファン化が始まります。
採用活動を求人票だけに閉じ込めている会社は、この接点を逃しています。一方で、若手採用に成功している企業は、地域活動を未来の母集団形成につなげています。
先生・保護者にも伝わる会社情報を整える
高卒採用では、本人だけに情報を届けても不十分です。先生や保護者の安心感も欠かせません。
高校生にとって、初めての就職は大きな決断です。だからこそ、周囲の大人が「この会社なら大丈夫」と思える情報が必要になります。
たとえば、次のような情報です。
- 教育体制
- 入社後のフォロー
- 若手社員の定着状況
- 資格取得支援
- 休日や働き方
- 相談できる先輩の存在
これらを求人票だけで伝えるのは難しいものです。だから、採用サイトやオウンドメディアに整理しておきます。
「高卒入社の先輩インタビュー」
「入社1年目の育成スケジュール」
「保護者向け会社紹介ページ」
「先生向けの職場見学案内」
ここまで用意できると、学校訪問の質も変わります。ただ求人票を渡すだけではなく、会社への理解を深めてもらえるからです。中小企業の採用広報は、派手さよりも丁寧さが重要です。地元高校生、大学生、先生、保護者、地域の人それぞれに向けて、必要な情報を少しずつ届けるこの積み重ねが、信頼構築になります。
若手に選ばれる会社は、突然生まれるわけではありません。就職活動が始まる前から、何度も見かけている会社、人柄が伝わっている会社、地域とのつながりが見える会社そんな会社が、最後に候補として残ります。
明日から実践できる3つのアクション
岐阜県の中小企業が若手人材を獲得するには、求人票を出して待つだけの採用活動から抜け出す必要があります。
人手不足や求人倍率の上昇、採用コストの増加、認知度不足これらは、どの企業にも起こり得る課題です。
ただし、打ち手はあります。
大切なのは、就職活動が始まる前から学生と接点を持つこと、そして、求人票では伝えきれない会社の空気を、WEB上に残していくことです。明日から実践できるアクションは、次の3つです。
1.若手社員を採用チームに加える
まずは、現場の若手社員に協力してもらいましょう。説明会、職場見学、SNS投稿、社員インタビューすべてを総務や経営層だけで進める必要はありません。
地元高校生や大学生が知りたいのは、年齢の近い先輩の本音です。
「最初に不安だったこと」
「入社して安心したこと」
「仕事でつまずいたこと」
「地元就職を選んだ理由」
この声こそ、若手に届く採用広報の核になります。
2.SNSとオウンドメディアの役割を分ける
Instagram、TikTok、YouTubeショートは、認知の入口となり、職場の雰囲気や若手社員の表情を伝える場として使います。
一方で、オウンドメディアは理解を深める場所として社員インタビュー、育成体制、仕事の流れ、保護者向け情報。
SNSでは伝えきれない内容を、記事として残します。
SNSで知る→WEB記事で理解する→求人媒体で応募する。
この流れをつくることが、採用活動の資産化につながります。
3.学校・地域との接点を採用広報に変える
地元高校への職業講話や部活動支援、地域貢献活動、大学生とのインタビューシップこうした活動は、すぐ応募につながらなくても構いません。数年後の母集団形成に効いてきます。
「あの会社、見たことがある」
「あの会社、若手が楽しそうだった」
「あの会社、地元を大事にしている」
この記憶が、就職活動のタイミングでよみがえります。
採用広報は、短期勝負ではなく信頼構築の積み重ねです。
若手に選ばれる会社は、条件だけで勝っているわけではありません。会社の人柄、空気、地域との関係を見える形にしています。いま採用活動を変えられる企業が、これからのZ世代、α世代(アルファ世代)に選ばれていきます。
岐阜県の中小企業が若手採用でよく抱く疑問
Q1. 採用広報は、すぐに応募につながりますか?
すぐに応募が増えるとは限りません。採用広報は、短期施策というより中長期の土台づくりです。
ただし、発信を続けることで「会社名を見たことがある」状態をつくれます。この認知が、求人媒体で見つけてもらう確率を高めます。応募直前に初めて知られる会社と、以前からSNSやWEBで見ていた会社。
学生が安心しやすいのは後者です。
Q2. 中小企業でもTikTokやInstagramをやるべきですか?
若手採用を強化したいなら、取り組む価値はあります。ただし、バズを狙う必要はなくInstagramでは職場の雰囲気。
TikTokでは親近感。YouTubeショートでは仕事内容の見える化、このように役割を分けると、無理なく続けられます。
大切なのは投稿の派手さではなく、等身大であること、若手社員の声や日常の一場面のほうが、きれいな広告より伝わることもあります。
Q3. 高卒採用では、どんな情報を発信すればよいですか?
本人だけでなく、先生や保護者が安心できる情報を出すことです。たとえば、教育体制、入社後のフォロー、資格取得支援、相談できる先輩の存在、高卒入社の先輩インタビューも効果的で、地元高校生は、初めて社会に出る不安を抱えています。だからこそ、「この会社なら育ててもらえそう」と感じられる情報が欠かせません。
Q4. 早期離職やミスマッチを防ぐには何を伝えるべきですか?
良い面だけでなく、大変な面も伝えることです。
「繁忙期は忙しい」
「最初は覚えることが多い」
「現場では安全ルールを厳しく守る必要がある」
こうした情報を隠すと、入社後のギャップにつながります。逆に、正直に伝えることで信頼が生まれます。
等身大の発信は、応募数をただ増やすためではありません。自社に合う人材と出会うための差別化です。
Q5. 採用コストを抑えながら始めるなら、何から取り組むべきですか?
まずは、若手社員インタビューから始めるのがおすすめです。
・スマートフォンで撮影する
・簡単な質問を用意する
・記事にして自社サイトへ載せる
・短く切り出してSNSにも投稿する
これだけでも、採用広報の第一歩になります。
1本の記事が、Instagram投稿になり、TikTok動画になり、学校訪問の資料にもなります。
一度作った情報を何度も使う。これが資産化です。採用コストをただ使い切るのではなく、翌年以降にも残る情報へ変えていく。その発想が、これからの若手採用には欠かせません。















