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COURSE 2024年最新 高校生アンケート調査結果

2024年2月に岐阜県の岐阜エリア・西濃エリアを中心とした高校・専門学校・大学など約47校に、高校生向け就職応援本『COURSE(コース)岐阜西濃版』を発行し、6,283部を高校に配布しました。岐阜労働局の発表によると、岐阜県内就職者数は、69.2%と31年ぶりに70%を切るなど、若手の県外流出が課題となっています。しかし、岐阜県には多くの優良企業が存在し、地元企業を知らずに県外就職を選ぶ学生が多い現状があります。『COURSE』では、高校生に地元企業の認知を深めてもらい、地元岐阜県の企業研究として配布しています。しかし、企業紹介メディアが学生目線になっていないことも多いため、『COURSE』では実際に読者である高校生へのアンケート調査を行い、高校生のリアルな声を企業に届ける相互コミュニケーショ ンの重要性を考えています。今回、そのアンケート調査を基に、高校生たちの職業観や就職活動の様子をまとめた結果をお届けします。

アンケート期間 2024年2月~2024年5月

アンケート協力高校
山県高等学校・池田高等学校・揖斐高等学校・大垣桜高等学校・大垣養老高等学校・国際たくみアカデミー・岐阜各務野高等学校・岐阜女子高等学校・華陽フロンティア高等学校・県立岐阜商業高等学校・市立岐阜商業高等学校・ぎふ国際高等学校・啓晴高等学校・城南高等学校・岐阜聖徳学園高等学校・富田高等学校・岐阜農林高等学校・岐阜第一高等学校・清凌高等学校

【対象者】
有効回答数3,337枚
【学年別データ】
1年生:322名 (9.6%) 2年生:1,394名 (41.7%) 3年生:1,621名 (48.5%)
【性別データ】
男性:1,459名 (43.7%) 女性:1,862名 (55.5%) 未回答:16(0.4%)
【回収方法】
岐阜・西濃版2024配布、読者アンケートとして手書き用紙にて回収

進路調査アンケート結果

進路希望

進学希望者数:1,951名(58.5%)
就職希望者数:974名(29.2%)
進学・就職を両方検討:319名(9.6%)
その他:93名(2.8%)

岐阜県高校生の進学希望調査によると、進学希望者数は1,951名(58.5%)で過半数を占めており、大学や専門学校への進学が依然として主流であることがわかります。一方、就職希望者数は974名(29.2%)で、約3割の高校生が直接就職を選んでいます。進学と就職を両方検討している学生は319名(9.6%)で、将来の選択肢を広げるための柔軟な姿勢が見受けられます。また、その他の選択肢を選んだ学生は93名(2.8%)で、多様な進路を模索していることが伺えます。

進学先希望調査

四年生大学: 835名(42.8%)
短期大学: 166名(8.5%)
専門学校: 652名(33.4%)
未定/その他: 298名(15.3%)

四年生大学を希望する学生は835名(42.8%)で最多となり、高度な知識や専門性を求める傾向が見られます。専門学校希望者は652名(33.4%)で実務に直結するスキルを重視する学生が多いことが示されています。短期大学を希望する学生は166名(8.5%)で、実務経験と学問のバランスを求めています。未定またはその他の選択肢を考えている学生は298名(15.3%)で、進路に迷う学生も一定数存在し、進路支援が求められます。

進学後の就職先希望調査

県内:319名(24.4%)
県外:337名(25.7%)
未定:654(49.9%)

県内進学を希望する学生は319名(24.4%)、県外進学を希望する学生は337名(25.7%)であり、ほぼ均衡しています。しかし、未定の学生が654名(49.9%)と半数近くを占めており、多くの学生が進路についてまだ決定していない状況が浮き彫りとなっています。この未定の学生に対して、県内企業の魅力を伝えることが重要です。目的なき進学は将来的なキャリア形成においてリスクが伴い、奨学金返済の負担も増える可能性があります。地元企業との連携を通じて、学生が地域でのキャリア形成のメリットを理解し、具体的な進路を見つける支援が求められます。

高卒後の就職先希望調査

県内:491名(50.4%)
県外:81名(8.3%)
未定:402(41.3%)

県内就職希望者は319名(24.4%)、県外就職希望者は337名(25.7%)、未定者は654名(49.9%)となっています。一方、高卒後の就職先希望調査では、県内就職希望者が491名(50.4%)と半数を占めるのに対し、県外就職希望者は81名(8.3%)と大幅に減少しています。この結果から、進学後に県外での就職を希望する学生が多い一方で、高卒後は県内就職を選ぶ傾向が強いことがわかります。未定者が多いことから、進学・就職の両面で具体的なキャリアパスを示し、県内企業の魅力をアピールするアプローチが重要です。

Q.企業情報をどのように調べますか?※複数回答

高校生が企業情報を得る手段のアンケート結果を見ると、ホームページが最も多く利用されていることがわかります(844件)。このことから、中小企業にとってホームページの充実が非常に重要であると言えます。特に、企業の魅力や強みを効果的に伝えるコンテンツの充実が求められます。

また、家族に相談するケースが多い(737件)ことから、保護者にも伝わるようなホームページの作成が必要です。具体的には、企業の安定性や働きやすさ、福利厚生といった情報を詳細に記載し、保護者が安心して子どもを送り出せるような内容にすることが重要です。

進路資料(683件)や先生に相談(440件)が多いことから、学校と連携した情報提供も効果的です。学校の進路指導担当者に企業の最新情報や見学会、インターンシップの情報を提供し、進路資料として活用してもらうことで、学生へのアピールを強化することができます。

SNS(408件)や就職サイト(397件)の利用も多いため、これらのプラットフォームを積極的に活用することが求められます。SNSでは企業の日常や社員の声、働く環境をリアルタイムで発信し、学生との双方向のコミュニケーションを図ることが重要です。

さらに、YouTube(131件)や先輩に相談(128件)の利用も見逃せません。動画コンテンツを活用して、企業紹介や社員インタビュー、職場の雰囲気を視覚的に伝えることで、学生の興味を引くことができます。また、卒業生や若手社員の体験談を発信することで、より身近に感じてもらえる効果があります。

求人票のみ(47件)やその他(23件)の利用は少ないものの、これらも補完的な情報源として活用する価値があります。特に、求人票には具体的な募集要項や応募条件、福利厚生などを詳細に記載し、学生にとって必要な情報を網羅することが重要です。

総じて、ホームページの充実とともに、保護者や学校との連携、SNSや動画コンテンツの活用が、地元企業の魅力を効果的に伝えるための鍵となります。これらの多角的なアプローチを通じて、学生が地元での就職を選択する動機を高めることが期待されます。

会社選びで重視するポイント※複数回答

高校生が企業選びにおいて重視するポイントとして、給与(2175件)、仕事内容(2109件)、休日(2050件)、職場の雰囲気(1895件)、働きやすさ(1548件)といった基本的な労働条件が上位に挙げられています。この結果からいくつかの考察ができます。

1. 企業情報の透明性と詳細な提供の重要性

高校生はアルバイト経験が少ないため、仕事内容を具体的に理解することが難しいです。そのため、企業は仕事内容を詳細かつ分かりやすく伝えることが重要です。例えば、1日の業務の流れや実際の業務内容を具体的に示したり、動画や写真を活用して職場環境を視覚的に伝えることが効果的です。

2. 職場の雰囲気と働きやすさのアピール

職場の雰囲気や働きやすさが重要視されているため、企業はこれらを積極的にアピールする必要があります。職場見学やインターンシップを通じて実際の職場を体験させることや、社員の声を動画やブログで紹介することで、学生に働くイメージを持たせることが有効です。

3. 給与や休日の明確な提示

与や休日の情報を明確に提供することで、学生が安心して応募できる環境を作ることが重要です。具体的な給与レンジや昇給制度、年間休日数などを詳細に説明し、将来的なキャリアパスや福利厚生も含めた情報提供を行うことが求められます。

4. 福利厚生と勤務地の魅力

福利厚生(939件)や勤務地(574件)も重要な要素ですが、相対的に関心が低い項目とされています。この点を改善するために、企業は福利厚生の具体的な内容や勤務地の利便性、生活環境の良さを強調する必要があります。

5. 評判と知名度の向上

企業の評判(489件)や知名度(148件)も一定の影響を持つため、地元での社会的な信用を高める活動が重要です。地域貢献活動やCSR(企業の社会的責任)活動を通じて、地域社会とのつながりを強化し、その成果を積極的に発信することが求められます。

6. 同世代社員の存在の強調

同世代の有無(97件)への関心が低いことから、同世代の社員が多いことをアピールすることで、学生にとって親しみやすい職場環境を強調することができます。社員紹介ページや社員インタビューを通じて、若手社員の活躍や働きやすさを伝えることが効果的です。

7. アルバイト経験の少ない高校生への配慮

アルバイト経験の少ない高校生に対しては、職場体験や見学会の実施を増やし、実際の仕事を体験させる機会を提供することが重要です。これにより、学生が企業や仕事に対する具体的なイメージを持ちやすくなります。

8. 転勤の有無と寮・社宅の提供

転勤の有無(168件)や寮・社宅(43件)の提供についても関心が見られます。特に遠方から通う学生に対しては、住居の支援や転勤の有無を明確にすることで安心感を与えることが重要です。

総じて、企業はこれらのポイントを踏まえ、学生にとってわかりやすく魅力的な情報を提供することで、地元就職を促進する取り組みが求められます。

職場見学・インターンシップに行ってみたい業種・職種は何ですか?※複数回答

高校生が多様な業種に興味を持っている一方で、特定の業種への集中が見られます。このような状況から、いくつかの考察ができます。

1. 業種別の人気と安定性のバランス

飲食業(522件)や製造業(521件)など、多くの高校生が興味を持つ業種において、安定性のあるキャリアパスを示すことが重要です。これらの業種は労働市場の変動に敏感であり、将来の安定性について学生や保護者の不安を解消するために、明確なキャリアパスや成長機会を提供する必要があります。

2. 多様なキャリア選択の促進

美容(473件)やサービス業(404件)などの高人気業種に対して、農業(94件)や漁業(58件)、林業(18件)などの関心が低い業種にも目を向ける必要があります。これには、これらの業種が持つ独自の魅力や成長可能性を強調するプロモーション活動が有効です。例えば、環境保護やサステナビリティに関する取り組みをアピールすることが考えられます。

3. 職業教育と実務経験の連携強化

高校生にとって、仕事内容を具体的に理解することが難しいため、職場体験やインターンシップの機会を提供することが重要です。特に、医療(321件)や福祉(306件)などの専門性が求められる業種において、早期からの実務経験を通じて実際の業務内容や職場環境を理解させることが効果的です。

4. 企業の情報発信の強化

高校生が企業情報を得る手段として、ホームページやSNSの利用が多いことから、企業はこれらのプラットフォームを活用して情報を発信する必要があります。具体的な仕事内容や職場の雰囲気、社員の声などを視覚的に伝えることで、学生の関心を引きやすくなります。また、家族に相談するケースも多いため、保護者に向けた情報提供も重要です。

5. キャリア選択のサポート体制の充実

進路選択に迷っている学生に対して、進路指導やキャリアカウンセリングの充実が求められます。学校や地域のキャリアセンターが、学生一人ひとりに適した職業やキャリアパスを見つける手助けを行うことで、主体的なキャリア選択を促すことができます。

6. 新興産業への注目

情報通信(236件)やクリエイティブ(261件)などの新興産業への関心も高まっています。これらの分野は技術革新やデジタル化の進展に伴い、今後さらに重要性を増すことが予想されます。企業はこれらの分野でのキャリア機会を強調し、学生に魅力を伝えることが必要です。

7. 地域経済の活性化

地元の農業や漁業、林業などの産業が持つ可能性を再評価し、これらの分野でのキャリアを促進することで地域経済の活性化を図ることができます。地元産業の持続可能な発展と結びついたキャリアパスを提示することで、学生に地元での就職の魅力を伝えることができます。

これらの考察を踏まえ、企業や教育機関は、より多様なキャリアパスを学生に提供し、彼らの主体的なキャリア選択を支援するための取り組みを強化することが求められます。

SNS利用調査

1. 主流SNSの利用

Instagram(175件)とLINE(163件)が最も多く利用されており、TikTok(150件)やYouTube(138件)も人気が高いことがわかります。これらのプラットフォームは、ビジュアルコンテンツや動画の共有、コミュニケーション手段として広く受け入れられています。特に、短い動画形式が特徴のTikTokやビジュアル重視のInstagramが若者の間で大きな人気を集めています。

2. 新興SNSの台頭

BeReal(81件)やDiscord(21件)、Pinterest(22件)などの新興SNSも一定の利用が見られます。BeRealは、リアルタイムでの写真共有を特徴とし、自然体のコミュニケーションを促進しています。Discordは、ゲーマー向けのコミュニケーションプラットフォームとして始まりましたが、現在では様々なコミュニティで利用されています。

3. 従来のSNSの衰退

Facebook(1件)の利用がほとんど見られないことから、これらのプラットフォームは若年層の間での人気が低下していることが示唆されます。特にFacebookは、親世代の利用が多いことから、若年層にとっては魅力が薄れている可能性があります。保護者へ向けての情報発信に適しています。

4. 新しいプラットフォームの登場

Lemon8(6件)やThreads(2件)といった新しいSNSプラットフォームも少数ながら利用されています。これらのプラットフォームは、ニッチなユーザーベースや特定の機能に特化することで、新たなユーザー層を獲得しようとしています。

5. クロスプラットフォームの利用

多くの高校生が複数のSNSを利用していることが想定されます。例えば、LINEで日常のコミュニケーションを行い、Instagramでビジュアルコンテンツを共有し、YouTubeで動画を楽しむというように、各プラットフォームの強みを活かして使い分けています。

6. プライバシーとリアルタイムの重要性

BeRealの利用が増えていることから、プライバシー保護やリアルタイムでの自然な共有が求められていることがわかります。また、プライベートなコミュニケーションを重視する傾向が強まっていることが伺えます。

7. 視覚的なコンテンツの優位性

TikTokやInstagram、YouTubeの人気が高いことから、視覚的なコンテンツが高校生の間で重要視されていることが明らかです。ビジュアルや動画を通じて情報を得たり、共有することがトレンドとなっています。

これらのトレンドを踏まえ、企業や教育機関は適切なSNSプラットフォームを活用し、高校生にリーチするための効果的なコミュニケーション戦略を構築することが重要です。

まとめ

本アンケート結果から、高校生が就職において重視するポイントは明確であり、地元企業がこれらのポイントを意識して取り組むことで、県内就職率の向上が期待されます。特に、具体的な仕事内容の提示や職場の雰囲気のアピール、充実した福利厚生と給与体系の整備が重要です。企業と学生が直接触れ合う機会を増やし、地元での就職のメリットを実感させることで、県内就職の促進を図ることができます。また、ホームページの充実や情報提供の強化も重要です。詳細な企業情報や社員の声、働く環境の紹介などを通じて、学生やその保護者に企業の魅力を効果的に伝えることが求められます。これにより、学生が安心して地元企業を選び、県内でのキャリア形成を進めることが期待されます。

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