多くの企業が新卒や若手採用において「OJTあり」と求人票に記載しています。しかし、この言葉だけでZ世代の応募者が安心する時代は終わりました。
Z世代(1990年代後半〜2010年生まれ)は、成長意欲が高く「どう育ててもらえるのか」を重視する傾向があります。彼らにとって「OJTあり」という5文字はあまりにも抽象的で、「結局どういう育成が受けられるのか」がわからず、不安や不信のもとになるのです。
採用競争が激化する今、企業に求められるのは、「育成の見える化」です。単なる「OJT」ではなく、その中身を具体的に示し、安心と納得を届ける必要があります。
Z世代が企業に求める育成の3つの視点
Z世代の価値観を踏まえると、企業の育成方針は次の3つの視点で整理・発信すべきです。
1. 明確性:「どう育つか」が見えること
抽象的な教育では不安を感じやすいため、研修の期間・内容・育成ステップなどが明文化されていることが重要です。
例:「入社後3か月間は、週ごとのテーマに沿って業務を段階的に習得」
2. 即時性・双方向性:「教えっぱなし」ではなく、対話があること
一方的な指導より、こまめなフィードバックや1on1面談がZ世代には響きます。
例:「週1回の振り返り面談で進捗を共有し、次の目標を一緒に設定」
3. 安心感と個別対応:「自分に合っている」と思えること
Z世代は「質問しやすい雰囲気」「失敗しても大丈夫な空気感」を重視します。個別メンターやピアラーニング制度も効果的です。
「育成の見える化」に必要な情報とは?
では、具体的に何を求人票や採用サイトに盛り込むべきでしょうか?以下は“Z世代が知りたい情報”です:
- OJTの期間とフェーズ(例:1か月の導入期、3か月の定着期など)
- 指導担当者の存在(例:専属トレーナー・OJTリーダー・メンター制度)
- フィードバック頻度(例:週1回の面談、月1回の成長面談など)
- 使用ツール・学習方法(例:動画マニュアル、チャットで質問OKなど)
- キャリアパスや将来像(例:2年目でリーダー職を目指す道がある)
これらを可視化することで、「この会社は成長支援に本気なんだ」と伝わり、応募につながります。
求人票の文面もアップデートしよう
以下は、育成方針の“見せ方”の改善例です。
Before
OJT教育あり。先輩社員が丁寧に指導します。
After
入社後は3か月間の育成プログラムを実施。
専属のOJTトレーナーが付き、週1回の振り返り面談を通じて段階的に業務を習得。
動画マニュアルやチャットサポートも整備しており、自分のペースで学べます。
このように書くだけで、育成の具体性と安心感が伝わり、Z世代からの応募ハードルが格段に下がります。
採用成功の鍵は「教える力」から「伝える力」へ
Z世代は、スキルだけでなく「育成文化」や「人としての成長環境」を重視します。
企業が「OJT教育あり」と一言で済ませるのではなく、育成の中身や考え方を積極的に発信することが、これからの採用力に直結します。
“教える力”だけでなく、それを“伝える力”に変える。
それこそが、Z世代に選ばれる企業への第一歩です。

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