TikTokを採用に使いたいものの、「どんな動画を作ればよいのか」「流行に合わせるべきか」「社員を出演させても大丈夫か」と迷う採用担当者は少なくありません。再生数を目的にせず、求職者が知りたい仕事・人・職場の情報を動画で具体的に伝えることが大切です。
TikTokは、求人票や採用サイトの代わりではありません。募集条件は求人票や募集要項で示し、TikTokでは仕事や職場の空気を補います。この記事では、開設前の設計から見直しまでを6つの手順で解説します。
SNS採用全体での媒体選びや運用設計は、SNS採用の全体像と媒体選びで確認できます。
TikTok採用とは?仕事の動きと働く人の実感を補う採用広報
TikTok採用とは、短い動画を通じて自社の仕事や働く人、職場の雰囲気を伝え、応募前の企業理解を支える採用広報です。動画を面白く見せること自体が目的ではありません。職種名や募集条件だけでは想像しにくい働く姿を、無理のない形で伝えることが出発点になります。
短い動画で、職種名だけでは伝わらない仕事の具体像を伝える
求人票には、職種、就業場所、賃金などを正確に記載できます。一方、仕事の進め方や現場で気を付けていることは、文章だけでは伝わりにくいものです。仕事の一場面や社員の言葉を動画にし、実際の業務とかけ離れないようにしましょう。
採用サイト・募集要項へつなぎ、応募判断に必要な情報を補う
動画を見て関心を持った人が、募集条件や選考方法を確認できなければ、次の行動には進みにくくなります。TikTokは「知る」入口、採用サイトや募集要項は「比較して応募する」場所と考えると整理しやすくなります。プロフィールから、最新の採用情報、会社説明会、問い合わせ先へ進めるようにしておきましょう。
始める前に決める3つのこと
動画を撮り始める前に、目的と運用体制を整えます。何を撮るかだけで始めると、投稿が社内行事の報告に偏ったり、担当者の異動とともに止まったりします。対象者と社内の役割を先に揃えることで、企画の判断がしやすくなります。
採用したい人と、動画で解消したい不安を言語化する:新卒、高卒、経験者など、採用したい人によって知りたい情報は異なります。対象者が応募前に抱きやすい疑問を並べ、動画で答える順番を決めます。「若手に見てもらう」だけで終わらせないことがポイントです。
採用専用アカウントか、公式アカウントとの兼用かを選ぶ:採用専用アカウントは、求職者向けの情報を見つけやすく整理しやすい反面、継続して更新する素材と担当者が必要です。公式アカウントとの兼用は既存の発信を生かせますが、顧客向け情報と採用情報が混在することがあります。どちらが正しいかではなく、投稿できる量と採用情報の見つけやすさで選びましょう。
企画・撮影・確認・公開・コメント対応の担当を決める:投稿担当者一人に企画、撮影、公開判断を任せきりにすると負担が重くなります。素材を集める人、内容を確認する人、公開する人を決めましょう。コメントやDMへの一次対応、誤投稿時の連絡先も共有します。
TikTok採用を始める6つの手順
目的、プロフィール、企画、動画、公開確認、振り返りの順に整えます。
短い動画を作る前に、採用導線と公開ルールを整えます。初めから投稿数や完成度を追いすぎず、代表的なテーマを少数公開して確認しながら進めましょう。
手順1:採用広報の目的と、動画を見た後の行動を決める
仕事内容の理解、説明会への参加、採用サイトの閲覧など、動画で目指す行動を具体的に置きます。再生回数やフォロワー数だけを成果にすると採用と関係の薄い投稿に寄りがちです。プロフィール閲覧、リンク先への移動、問い合わせ内容も確認対象にします。
手順2:プロフィールと固定する情報を整え、応募導線を用意する
アカウント名と紹介文で、会社名、採用発信であること、主な職種や地域が伝わるようにします。採用サイト、募集要項、問い合わせ先へ進める導線を整え、情報を更新する担当も決めましょう。
手順3:求職者の疑問から動画テーマを5つに分ける
投稿テーマは、①仕事内容、②働く人、③職場・安全、④育成、⑤説明会や募集要項など次の行動につながる情報の5つに分けると偏りを防げます。流行の見せ方を取り入れる場合も、仕事の実像を伝えましょう。
手順4:1本の動画を「冒頭・具体例・次の行動」で組み立てる
動画の最初には、「工場の一日はどのように始まるのか」など扱う疑問を置きます。次に仕事の一場面や社員の言葉で具体化し、最後に詳しい情報の確認先を示します。短くまとめるために、事実と異なる印象を与えないようにしましょう。
手順5:出演・音源・募集情報を公開前に確認する
社員が映る動画では、出演の可否と、顔・氏名・所属をどこまで公開するかを本人と確認します。名札、背景の書類、顧客情報などの写り込みにも注意が必要です。音源や映像素材は、商用利用が認められているかを公開前に確認しましょう。募集条件を直接投稿する場合は、投稿自体に名称、住所、連絡先、業務内容、就業場所、賃金の6情報が必要です。リンクだけで済ませず、最新の募集要項とも照合します。
手順6:少数の動画から始め、採用導線と質問を見直す
最初から動画を量産するより、代表的なテーマを数本公開して読まれ方を確かめるほうが改善しやすくなります。視聴数だけではなく、プロフィールからの遷移、繰り返し届く質問、採用ページへの到達しやすさを確認します。分析機能は変わり得るため、公式の案内も確認しましょう。

採用アカウントで伝えたい5つの動画テーマ
動画の見せ方ではなく、求職者が知りたい情報からテーマを選びます。
流行の企画や会社行事だけが続くと、応募を考える人に必要な情報が不足します。仕事内容、人、職場、育成、次の行動という観点で素材を集めると、発信の軸を保てます。
仕事内容と一日の流れ
担当する業務、仕事で気を付けていること、周囲と連携する場面を短く示すだけでも、職種名の理解は具体的になります。機械、工具、作業場を撮影する際は、安全上・機密上の問題がないかを現場と確認します。
一緒に働く人と若手社員の声
社員紹介では、入社前に不安だったこと、今の仕事で意識していること、相談相手などを尋ねると、求職者が自分と重ねやすくなります。質問と回答は本人に確認したうえで編集しましょう。
職場・設備・安全への取り組み
職場の全景だけでなく、休憩場所、保護具、朝礼、教育の様子なども、働く環境を知る材料になります。見せられない情報がある場合は、撮影可否を現場とすり合わせてから撮影します。
育成、入社後に相談できること、成長の考え方
研修名を並べるより、誰がどのように仕事を教えるのかを具体的に伝えるほうが、応募後を想像しやすくなります。個別の成長を一般化したり、将来を保証したりしない表現を心掛けます。
会社説明会・募集要項など次の行動につながる情報
説明会、見学、募集要項の案内は、内容、対象者、確認先を示します。日程や条件は変わるため、固定動画だけで完結させず、最新情報を確認できる採用サイトへつなぎましょう。
投稿テーマを深掘りしたい場合は、公開後に採用SNSの投稿ネタと企画の作り方へ内部リンクを設定します。
TikTok採用で先に整えたい、社員出演・コメント・権限のルール
TikTokは短い動画で気軽に見られる一方、意図しない写り込みやコメントへの対応が起きることもあります。注意点を増やして発信を止めるのではなく、誰が判断し、どのように対応するかを公開前に決めておくことが、継続的な運用につながります。
社員が出演する目的と、顔・氏名・所属の公開範囲を本人と確認する
社員が出演する目的と、顔・氏名・所属の公開範囲を本人と確認する:
社員を一律に出演させるのではなく、出演の可否と公開範囲を本人が選べるようにします。公開媒体、動画の内容、公開後の削除相談、異動や退職時の扱いも共有しておくと対応しやすくなります。社員出演・個人情報管理の詳細は、関連する下層記事の公開後に案内します。
コメント・DMへの一次対応と、削除・エスカレーションの基準を決める
質問には誰が答えるか、個人情報を含む相談が来た場合はどこへ引き継ぐか、事実と異なる内容や不適切なコメントを見つけた場合は誰が判断するかを決めます。担当者が単独で抱え込まないよう、採用、広報、現場責任者の連絡ルールを共有しましょう。
個人のログイン情報を共有せず、必要最小限の権限で管理する
担当者間でパスワードを回す運用は、異動や退職時に管理が難しくなります。公式の権限管理機能を利用できる場合は、役割に応じたアクセスに分け、管理者を複数名で把握します。設定画面や利用条件は変わるため、最新の公式ヘルプを確認してください。
商用利用できる音源・映像素材かを公開前に確認する
流行している音源や他社の動画を、そのまま採用動画に使うことは避けます。企業が利用できる音源の範囲は、アカウント種別、地域、権利者との条件で異なる場合があります。自社で撮影した素材であっても、背景に音楽や第三者の著作物が入っていないかを確認しましょう。

TikTok採用が続かないときに見直すポイント
投稿が止まる原因は、動画編集の技術だけではありません。目的が広すぎる、素材が集まらない、投稿後に何を確認すればよいか分からないといった設計上の問題が隠れていることもあります。無理に投稿本数を増やす前に、次の点を見直しましょう。
流行を追う前に、採用対象者の疑問に答えているかを見直す
見た目が楽しい動画でも、仕事内容や働く環境が分からなければ、応募の判断にはつながりにくい場合があります。説明会や面接で聞かれる質問を振り返り、投稿で答えられていない疑問を探します。
撮影日・素材提供・確認日を決め、制作を日常業務に組み込む
月ごとに素材を集める日を決める、現場担当者から動画候補を募る、公開前の確認日を固定するなど、日常業務に組み込める形にします。少ない本数でも、求職者の疑問に答える動画が続くほうが、発信の意味を保ちやすくなります。
動画から採用サイト・募集要項へ進めるかを確認する
動画から興味を持った人が、数回の操作で詳細情報を確認できるかを実際に試します。リンク切れ、募集終了情報、問い合わせ先の不明確さがないかを、採用時期や内容の更新に合わせて確認します。
再生数だけでなく、目的に近い反応を確認する
説明会の案内ならリンク先への移動や問い合わせ、仕事内容の理解を深める投稿なら質問内容など、目的に応じて見る項目を決めます。すべての数値を追うのではなく、次の動画を改善するために必要な情報に絞ることが、運用を続けるコツです。KPIの考え方は、関連する下層記事の公開後に詳しく案内します。
まとめ|TikTok採用は、動画を作る前の設計と確認ルールが重要
TikTok採用では、投稿数や一時的な再生数を追う前に、誰のどの不安を解消したいかを決めることが重要です。求人票や採用サイトで正確な募集情報を確認できるようにしたうえで、TikTokでは仕事、人、職場の実感を補います。動画の内容、社員出演、音源、応募導線を一緒に整えることで、無理のない採用広報として続けやすくなります。
自社の仕事をどのように動画で伝えるべきか、社員出演や応募導線をどう整えるかに迷う場合は、SNS採用・採用広報に関する資料請求やご相談をご検討ください。現状の発信と採用課題を整理するところから始められます。
TikTok以外の媒体選びやSNS採用全体の組み立て方は、SNS採用の全体像と媒体選びをご覧ください。
よくある質問
TikTok採用を始める際に、特に判断に迷いやすい点を補足します。自社の採用対象、運用体制、公開する情報の範囲に合わせて検討してください。
TikTok採用は、採用専用アカウントで始めるべきですか?
必ずしも採用専用アカウントが必要とは限りません。採用情報を継続して発信でき、求職者が必要な情報を見つけやすいなら、公式アカウントを活用する方法もあります。採用対象や投稿テーマが明確に異なる場合は、専用アカウントのほうが情報を整理しやすいことがあります。
採用動画は、どのくらいの頻度で投稿すればよいですか?
一律の正解はありません。更新の多さよりも、仕事内容や働く環境を正確に伝える動画を無理なく続けられる体制を優先します。まずは素材を集められる頻度で始め、投稿後の反応と社内負担を見ながら調整しましょう。
流行の音源や企画を採用動画に使ってもよいですか?
流行の企画を使う場合も、採用対象者が知りたい情報と結び付くかを確認します。音源は、企業として利用できる条件を公開前に確認してください。第三者の動画、写真、音源を利用する場合は、必要な許可や利用条件の確認が必要です。
TikTokに募集条件を掲載するとき、何を確認すべきですか?
募集情報を直接掲載する場合は、投稿自体に必要な表示事項を記載し、内容が最新の募集要項と一致しているかを確認します。投稿だけで完結させず、詳細を確認できる採用サイトも用意してください。表示事項については、厚生労働省などの一次情報を公開時点で確認しましょう。
社員の顔が映る動画を掲載するとき、何を確認すべきですか?
本人が出演と公開範囲に同意しているか、氏名・所属・名札・背景の書類などに意図しない情報が写っていないかを確認します。公開後の削除相談や、異動・退職時の扱いもあらかじめ決めておくと、対応しやすくなります。